脳と脊髄の中枢神経は、脳脊髄液に囲まれてれています。また脳の中央の空間にも脳脊髄液で満たされた脳室があり、そこにある脈絡叢から髄液が噴出されます。
 頭蓋内に満たされた髄液は、脊髄へと下行して、脊髄を満たして左右の脊髄神経鞘から全身に放出されます。
 これらの流れは一連の呼吸運動として営まれます。即ち、
(1)収縮している頭蓋が、脈絡叢から噴出する脳脊髄液の力で膨張します。同時に、膨張し屈曲している脊髄部は、収縮し伸展しながら髄液を周囲の脊髄神経鞘から外部のリンパ流や静脈叢へ放出します。
(2)膨張した頭蓋を収縮させ、収縮伸展した脊髄を膨張屈曲させることによって、脳から脊髄に向けて、髄液を下行させます。
(3)再び頭蓋が収縮すると(1)を繰り返します。この一連の呼吸運動は約10秒周期で営まれます。(左の動画も同程度の周期になっています)
 正常な状態では活発な脳脊髄液の呼吸運動が行われますが、固縮した体では、頭蓋は収縮気味で脊髄は屈曲膨張のままの状態に固定されており、脳・脊髄への栄養補給が停滞するので中枢が血圧上昇や血糖上昇を促すよう働きかけます。

健康を害する意外な要因 頭蓋骨の歪みへ