有害物を読み取る方法(指テスト)
毒物判別能力と感度
ある物質が生体に有害か無害かは,誰でも検出できる潜在能力を持っています。それは動物が持っている毒物や敵を見分けたりする本能的能力と同質のものです。
毒などの有害物質を見たり触れたりした時や、敵と遭遇した時に、脳は身の危険を感じて、先ず「姿勢維持筋をねじって背を丸く」させる一方、「全身の骨格筋を脱力」させて、臨戦体制を取ります。
言い換えるとある物質に接触したら筋力が低下したとすると、その物質は「脳が拒絶しがる有害物質である」ことになります。
しかし現代の我々は、既に様々な有害物質に体が包囲されてしまっているので、新たな有害物質を感じ取る感度が出せないのです。これを通信における信号対雑音比(SN比)の考え方で言えば、雑音(Noise)が強過ぎて検出しようとする信号(Signal)が埋もれてしまい、判別できない例に相当します。
決して、大脳が発達したために、毒を判別する動物的な感覚が退化してしまった訳ではありません。
当院で頭蓋骨矯正をして、生活環境の中から衣食住に溢れる有害物質を退治していただくと、まるで雑音が激減して信号が識別できるようになる譬えの様に、有害物質に手を触れたり凝視した瞬間に,全身の筋力が反射的に減弱する現象を、「指テスト」方法ではっきりと自覚できるようになります。勿論訓練が必要ですが・・・。
指テストの方法
筋力が減弱する現象を捕らえる方法として、私は「指テスト」と名付けた方法を考案し、日常的に活用できるようになりました。
最近ではこの方法をバランスを回復されてきた患者様に公開して、訓練していただいております。私の家内は勿論、何人かの若い患者様が、徐々に判別できるようになってきています。
手 順
- 準備;利き手と反対側の手(テスト手)を、上の写真のようにセットします。
a.人差し指を立てて、背側に軽く伸展(反ら)します。(示指伸筋の反応を利用する)
b.中指・薬指・小指に親指を当てて、四指の先端を揃えることによって互いに固定します。
- 基準;利き手に何も持たない状態で、人差し指と中指の間にある皮膚の張り具合を、テスト前の基準として記憶しておきます。
- テスト;利き手に検査したい試料を握り締めるか、手の平全体で試料の表面に触れます。試料を凝視しても構いません。
この瞬間、テスト手の人差し指(示指)と、中指の付け根の軟部組織において、
反り加減が弛んで立ちにくい
震えを感じる
力が抜ける感じがする
などがした場合は、その品物の染色や素材そのものに有害性があることを意味します。
もし、基準の時の感じと変化がない場合は、その品物は無害かもしれません。だだし感度が低いか不慣れな場合は、有害なのに感じ取れていない可能性があります。
握りながら凝視すると、より強く反応を感じ取れます。
テスト感度を上げるには、兎に角有害なものを検出したら中和するか撤去して、少しでも環境を無害化し続けることと、日常的に指テストをトライして、人差し指の付け根の組織が変化する感覚を磨くことです。
指テストの活用
これを習得すると、
1.有害物質の識別
スーパーなどの衣類や食品売場で指テストをすれば、イオン刺激を発する色素を使っている衣類や、化学刺激を発する成分を含んでいる食品を判別できるようになります。その結果、刺激を発しない穏やかな物だけを識別して購入できるようになれます。
またイオン・マルチクリーナ、コルク、竹、陀羅尼助丸で中和を施した時、中和が充分できたか否かを確認できます。
応用として、食品や台所などにおいて、細菌が繁殖していたり腐敗している場所を識別したりできます。O157の感染源を特定したりするのに役立つかも知れません。
また環境汚染の判別にも役立ちます。例えば農薬で汚染されている森林地帯や土壌、化学物質などで汚染されて港湾や河川、放射線に汚染された施設などを識別したりすることもできます。
また住宅展示場などで、化学刺激を発する建材を使用している住宅や部材を識別したり、無害な建材を特定することができます。
これらは実際の現場にいなくてもテレビやパンフレットの写真の画像などからでも識別できます。
2.生体の神経バランスの良否診断
人や動物の顔や腹などの皮膚に触れたり凝視すれば、神経作用の異常が識別できるようになれます。特に人の顔を見て、もし指が倒れればその人の健康状態は良くないことが分かります。また腹を見て指テストが反応すれば、その人の腹は有害な食品の害に痛めつけられている事が分かります。顔の左半分、左腕、左足を見ると反応する場合は、4項の左三叉神経過敏の状態が起こっていることを示唆しています。
応用として、生体の全体から元気が無い所を特定することができます。例えば樹木において枯れそうになっている枝や、牧場で飼育されている家畜の健康状態、炎症を起こしているネコの足関節などが見つめながら指テストするだけで分かります。
3.薬剤の適量の判別
胃腸内部に化学刺激がある為に腹部に指テスト反応がある場合、陀羅尼助丸を何粒飲んだらよいか、適量を判別することができます。本来は被害者を仰向けで寝かせて、腹に小容器を乗せて、そこにダラスケを10粒最初に入れます。この時の両足の長さを比較します。左右の踵の位置に差があれば10粒では不足であることを意味します。そこへ10粒ずつ足して行き、両足が揃う量を求めます。揃った時の量が、被害者が必要としているダラスケの適量なのです。しかしこの方法は能率が悪いので実用的ではありません。
実は指テストで簡単に判別できるのです。被害者(他人でも自分でもよい)の腹に触るか見つめながら、心で「10粒、20粒、・・・」と問い掛けながら指テストの反応の変化を感じ取ります。指が一番起きた時の量が適量として判別できるのです。
一般の薬を服用する場合も、指テストで量を増やしながら問い掛けてゆき、もし指が立ったらその量を体が摂取したがっているのです。もし増やす程指に力が抜けて倒れてしまう場合は、体はその薬を飲むことを嫌っていることを意味します。
4.神経経路のトレース(追跡)
神経作用の異常がある部位に触れると指テストで反応を感じ取れます。皮膚の異常や神経圧迫などで神経伝達に異常が有る場合、その部位に利き手の人差し指を当て、反対の手で指テストをすると、神経が弱まっている状況を感じる事ができます。また指テストで倒れるポイントを辿って追跡して行けば、神経圧迫を起こしている神経根の場所を特定できます。
5.神経過敏の歯の識別
歯の金冠を順に凝視したり、歯根部を順に指先で触れながら指テストをした時に反応する歯がある場合、その場所の歯の金冠が高過ぎて噛み合わせが悪く、三叉神経が過敏になってしまっていることが判別できます。
尚、占いや賭の予想には利用できません。
Oリングテストとの比較
この方法の原理は「O(オー)リングテスト」と同じです。
Oリングテストは2人で行います。一人目が、利き手で被テスト物質に触れながら、反対の手で母指と示指(または小指)で力強く輪を作ります。もう1人がその輪に、左右の手の母指と示指で作った輪をからめて、力一杯その輪を開く行為をします。何も触れない時と、被テスト物質に触れた時とで、引き開く力が減弱するかどうかで有害性を判別する訳です。
つまり2人で行う必要があることと、はっきりと判別するには2人共バランスが良く感度が高い状態にある必要性があるので、2人が頭蓋骨矯正と有害物質の排除を励行していなければなりません。普通は2人共感度が悪いので、試してもはっきりした判別がでず、気のせいや先入観が働いてしまい、実用性に乏しいのが現実です。従って普及していません。
しかし「指テスト」なら、矯正と対策を施して感度が上がっている人であれば、1人でどこででも、余り目立たずにテストを行える利便性があります。
足の長短測定との比較
この人差し指の立ち方が変わる反射は、代表筋として示指伸筋という骨格筋を利用したものですが、このような筋反射はカイロプラクティック診断において色々活用されています。
例えば全身の筋バランスを端的に診断するのに、足の長短測定があります。カイロプラクティック治療を受けていない一般の人は、仰向けかうつ伏せで寝ると両足の長さは揃わず、どちらかが短くなって見えます。これは左右の足の長さは同じでも、自律神経による姿勢維持筋のネジレ作りや骨格筋の張りが、左右非対称になっていることを意味します。
もしズレを起こしている背骨を矯正する前に、矯正したい方向に指先で軽くこする(ティシュープルする)と、その方向が体に取って歓迎する方向なら、瞬間だけ足が揃う反射が起きます。この方法をチャレンジと呼び、カイロプラクティックでは診断に良く用いられています。
毒物判別のルーツ:磁気バランステクニック
その時に腹部などに毒物を乗せたりすると、生体がそれを嫌がって身をよじるために、片足側が引き上げられて短足を生ずる現象があります。また薬で試した場合、適量を乗せると両足が揃ってしまう現象が起こります。この反射を磁石で顕著にさせる方法としてファイファー博士の磁気バランステクニックが知られています。
これらの足の長短測定を利用した方法は、被テスト者つまり患者の足を利用していますので、術者はチャレンジの度に足を診に行く不自由が強いられます。しかし術者が指テストを行うことができれば、チャレンジをする術者自身の手で診断することができるわけで、チャレンジ直後の反応を逃すことなく、施術能率を格段に向上することができます。
指テスト以外の方法
指ではなかなか有害性を感じ取れない場合は、次の2つの方法を試して下さい。
体を反らせる方法
立って体を後ろに反らせて下さい。
手に何も持たない時に反らせて、天井にやっと見える位置の目印を記憶しておき、ここを基準とします。
次に試料を手に持った時に反らせて、天井を見ます。同じ目印まで見られれば「無害」。手前までしか反らせられない場合は「有害」と判定できます。
尚、バランスが良く、背骨にねじれが少ない程、反らせた時の大きく反らせる事ができます。体が硬くて大きく反らせる事が出来ない状態が、即ち体がねじれてゆがんでいる事を意味しています。
片足を伸ばしたまま前に挙げる方法
片足立ちして、他の片足を伸ばしたまま前に挙げて下さい。
手に何も持たない時に挙上して、つま先の位置に見える床の目印を記憶しておき、ここを基準とします。
次に試料を手に持った時に挙上して、床を見ます。同じ目印までつま先が挙がれば「無害」。足が挙がりにくく、手前までしか挙がらない場合は「有害」と判定します。
しかしいずれも動作が大きいので、売場などでは不審に思われますので使えないでしょうが・・・。
ただし既に毒に囲まれ、体はゆがみきっていると、いずれにしても「有害」「無害」の差はどの方法でも残念ながら現れません。
噛み合わせ不良へ